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200℃以上のオーブンが生み出す食感

高温で焼くとどうなる?バスクチーズケーキの科学

バスクチーズケーキの特徴は、焦げた表面と半熟の中心。その秘密は「高温で一気に焼く」ことにあります。
200℃以上の熱を受けた表面は、まず水分が急速に蒸発し、タンパク質が凝固して薄い乾燥層をつくります。この層は熱を伝えにくく、“断熱材”のように働きます。その結果、外側が焼き固まっても、中心はゆっくりとしか加熱されません。

カラメル化が進むタイミング

表面の断熱層が形成されたあと、さらに温度が上がると糖やタンパク質が反応し、メイラード反応やカラメル化が進行します。これがバスクチーズケーキ特有の香ばしい「焦げ目」と、ほろ苦さを生み出しているのです。
つまり、焦げ色=カラメル化は断熱層の上で起きる“二段階目の変化”といえます。

食感を操る世界のパティシエたち

この原理を応用して、中心をとろりとさせたり、なめらかに仕上げたり、あえてニューヨークチーズケーキのようにしっかり焼いたりと、食感のコントロールに挑戦するパティシエが世界中で増えています。Instagramでは、断面をスプーンですくい上げるバスクチーズケーキの動画が人気を集めています。

ご家庭でのアレンジ

家庭用オーブンで200℃以上が難しい場合は、湯せんをして少し長めに焼き、表面を焦がす“ブリュレ風ニューヨークチーズケーキ”にするのもおすすめ。半熟でなくても、なめらかで香ばしい味わいが楽しめます。

まとめ

  • 高温短時間で焼くと、表面の水分蒸発+タンパク凝固で薄い乾燥層(断熱層)が生まれる。
  • 断熱層により内部への熱の到達がゆるやかになり、外は香ばしく・中は半熟というコントラストが生まれる。
  • 褐色化(メイラード/カラメル化)は断熱層の形成後に進行する“二段階目”の変化。
  • 家庭では半熟だけが正解ではない。オーブン環境に合わせ、湯せん+やや長めの焼成で“ブリュレ風”に仕上げるなど、原理ベースのアレンジが有効。



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